関釜連絡船で興南に行く

2025年11月18日

戦前日本から朝鮮半島や中国に渡るのに、もっとも多く使われたのは「関釜連絡船」です。山口県下関港ー釜山を結ぶこの連絡船は1905年に運行が始まりました。当時国内から大陸に渡ろうとする人々は、東海道線や鹿児島線を使って下関に集まり、船に乗って渡航しました。定期航路としては、「関釜連絡船」の他には山東半島の大連に渡る便、博多と釜山を結ぶ便(1940年から)、新潟と清津を結ぶ連絡船などがありましたが、朝鮮渡航となると主に「関釜連絡船」ということになります。

大正13年の時刻表によると・・・

下関と釜山の距離と連絡船の渡航時間は?  距離は150km で日に二便: 夜の23時発ー朝8時着、朝10時30分発で夕方18時30分着

釜山から興南までの距離とかかる時間は?  釜山ー京城(ソウル)が280.6km  12時間30分、 京城ー興南が228.4km  12時間56分


第一日に夜の23時に下関を出発、2日目の朝8時に釜山到着。そのまま朝9時10分の急行に乗車するとソウルには夕方19時に到着。頑張ってその日の23時ソウル発の便に乗車。すると第3日の朝11時56分に興南の本宮駅に到着します。

第一日目の23時に下関便に乗船するためには、延岡を午後13時24分発の242便に乗ります。ほぼ9時間後の20時27分に門司に到達しますが、この頃は関門トンネルがまだないので、残念ながら23時の連絡船には間に合わない・・・と思われます。(間に合うようにダイヤが組んであるとすれば素晴らしい。)

延岡から興南に出張するには、これくらいハードな旅程をこなさなくてはいけません。ほぼ2日間、船と汽車を乗り継ぎ3日目の昼の12時ころ興南に到着したとして、私なら疲れ果てて仕事にはなりません。どこかで一泊したいですね。